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特集「こども家庭庁について知ろう」講演会レポート

令和五年に「こどもまんなか社会」を目指す「こども家庭庁」が創設されることをご存知ですか?

 

こどもの目線に立ち、こどもの権利を大切にし、こどもが自分らしく健やかに過ごすことができる社会に向けて、私たちには何ができるでしょうか。「こども家庭庁」について知り、内閣審議官の長田氏を交えた意見交換を通して、「こどもまんなか社会」について一緒に理解を深めました。

「こども家庭庁について知ろう」

 

2022年9月22日(木) 13:30開場・14:00開会・16:00閉会

場所:UMKスポーツスタジオ

プログラム① 講演「こども家庭庁の設立およびこども基本法について」

プログラム② テーマトーク「知りたい!こども家庭庁について」

 

講師:長田 浩志 氏

内閣官房こども家庭庁設立準備室・内閣審議官

平成2年に厚生省入省。内閣府子ども・子育て支援制度担当参事官、厚生労働省子ども家庭局総務課長を歴任。令和3年より、内閣官房こども政策推進体制検討チームに所属し現在、こども家庭庁設立準備室(内閣審議官)。

はじめに

 

わたしたち「みやざき子育てワンストップセンターCOtoCO」のご紹介をしました。運営団体としてのNPO法人みやざき子ども文化センターと、COtoCOの事業内容をご説明し、この事業のお披露目の場にもなりました。

動画「子育てワンストップセンターCOtoCOのご紹介」

講演「こども家庭庁の設立およびこども基本法について」

 

続けて、講師の長田氏をお迎えし、会場のみなさんにご紹介しました。いよいよ、今回のメインテーマである「こども家庭庁の設立およびこども基本法について」の講演がスタートです。
講演会のダイジェストをテキストにて、実際に配信されました本講演会の様子は動画よりご覧ください。

動画「こども家庭庁の設立およびこども基本法について」

こども家庭庁の創設

 

 進行に歯止めのかからない少子化により、将来の支え手が減少し続けることは我が国社会の持続的発展を危うくし、虐待やいじめ、不登校などこども自身を取り巻く状況は深刻で、、コロナ禍がそうした状況に拍車をかけています。この「待ったなし」の危機的な現状を打破し、こども政策の充実、こどもや子育て当事者に届く政策の充実を目指して、令和5年4月に発足するのが「こども家庭庁」、同時に施行されるのが「こども基本法」です。

 

 こうした現状を打破するために、政府は「こどもまんなか社会」という旗印を掲げていますが、これは、「こどもをまんなかに置いて考える」、「こども政策を我が国の社会のまんなかに据える」という二つの大きな意味を込めています。そのためにこども政策をより強力に進めていく必要があり、専らこどもの政策のことを考える単一の省庁の設置が重要視され始めました。このような背景から創設されることとなった「こども家庭庁」は、こどもや子育て当事者の視点を最も大切にし、虐待や貧困など、社会的にはマイノリティーな境遇に置かれたこどもや家庭にしっかりとフォーカスして、誰一人抜け落ちることなく、すべてのこどもが健やかで幸せに成長できる権利を社会全体で後押しする政策を立案し、遂行することで、「こどもまんなか社会」の実現を目指しています。

講演会資料1
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講演会資料2

こども家庭庁に期待されること

 

 こども家庭庁の創設に向け、今後のこども政策の基本方針を議論していただいた「有識者会議」では、この間、こどもや家庭に関わる支援策の充実が図られてきましたが、実際に支援を必要とする人に届いていないという指摘が大変多くありました。それは、制度が必要な子育て当事者に届いていない、知られていない、また支援サービスを受ける手続きの方法が分からないといった理由もあるのでしょう。「こども家庭庁」設置を契機に、そこにしっかりとリーチすることが大切です。

 

 この「こども家庭庁」は、内閣府や厚生労働省が担っているこどもの福祉、保健に関わる事務の移管を受けて自ら担うとともに、国のすべてのこども政策の「司令塔」として、これまで文部科学省や法務省など複数の省庁が関わっているこどもに関わる政策を取りまとめ、総合調整役としての役割も担います。位置づけとしては内閣府の外局、つまり内閣総理大臣直属の機関となり、こども家庭庁の担当大臣には、他の省庁やその担当大臣に対して「強い勧告権」が付与されます。これにより、業務の内容によっては引き続き文部科学省や厚生労働省などと密に連携しながら、こどもに関わる施策がよりスピーディーに決定し、施策を実行することが期待されます。

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講演会資料3
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こども基本法について

 

 同時に成立したこども基本法は、「こども家庭庁」だけではなく、すべての省庁と地方自治体が行うこども政策に網をかけ、総合的かつ包括的に推進していく基本となる法律です。基本法においては、児童の権利条約のいわゆる「4原則」が位置付けられるとともに、こども施策の策定、実施、評価に当たっては、こどもや子育て当事者の声をしっかりと反映させるために必要な措置講じることを、国と地方公共団体に対し義務づけており、本気で取り組まなければなりません。

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講演会資料3

こどもたちの声を拾い上げるために

 

 こどもの声を聴くという意味では、これまでも一部の自治体で、「こども議会」などの取組が行われてきました。しかしそれだけでは不十分で、例えば施設で暮らす子や不登校などの困難を抱える子どもたちの声は届きにくいのです。先行してこどもや若者に行ったヒアリングでは、SNSの活用を求める声が非常に多く聞かれました。一方で、SNSでは難しいという子どもももちろん存在します。「誰一人とりこぼさない支援」を実現するために、そういったこどもたちの声をいかに拾い上げていくかが重要です。

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講演会資料4

おわりに

 

 未来に向けて「すべての子どもが健やかに幸せに成長できる」ように、国は、この「こども家庭庁」、「こども基本法」を柱として、自治体や子育て当事者のそばで寄り添った支援を行う民間、NPO団体、市民活動団体の皆さんと結びつきを強くしながら、子どもたちの未来ともに守っていきたいです。

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テーマトーク「知りたい!こども家庭庁について」

 

 前半の長田氏の講演会をうけて、会場の参加者からはたくさんの質問が飛び交いました。今現在、自治体でこどもたちを見守る方、地方行政を担う方、NPO法人でサポートを続ける方など、現場ならではの課題や疑問も多く聞かれます。すべての質問に対し、長田氏からは丁寧に質疑の内容を汲み取り、様々な事例や、新しい取り組みで課題解決の糸口になるような回答をいただきました。こちらの内容はオンラインでは非公開となりますが、参加されたみなさまがしっかりと持ち帰っていただけた様子です。

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以上、「こども家庭庁について知ろう」の講演会レポートでした。設立目前であるこども家庭庁への、県内の子育て支援団体の皆さまからの関心と期待も感じられ、来年度以降の変化に注目が集まっています。わたしたちCOtoCOにとっても非常に大きなトピックでしたが、記念すべき最初のイベントとして長田氏をお迎えし、貴重なお話を伺うことができたことを大変嬉しく思っています。

​講演会にお越しいただいた長田さま、会場やオンラインでご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。今後も、子育て支援団体向けの様々なセミナーやお知らせを行なっていきます。子育てワンストップセンターCOtoCOをよろしくお願いします。

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